高知 室戸

KOCHI Muroto

晴れ/雄大な太平洋に沈む太陽が、また明日、雄大な太平洋から昇ってくる室戸の海。

備忘録

ここは高知県の室戸岬。太平洋に突き出た室戸半島の先っちょです。海から昇る日の出も海に沈む夕日もここ室戸岬から眺めることができるのです。また、若き日の弘法大師空海がこの地を修行地として選び、難行苦行の末、悟りをひらかれたと伝えられています。まさにパワースポットですね。この日の宿泊先は室戸荘、室戸半島の先端にあるお宿です。宿のお母さんが室戸の歴史や植物に詳しく夕食の時にいろいろと話をしていただきました。翌日、撮影から戻り朝食を済ますと、この辺りを案内してくれるとのことなのでお言葉に甘えて一緒に外へ出ました。ちょうど庭先にアロエの花が咲いてました。アロエの花って食べると美味しいのよと、それを取って食しました。うん、確かに美味しい。レタスより青味臭さがなくシャキシャキとした食感を思い出します。ゆっくりと歩きながら、ここ室戸は1000年で約2mぐらい地面が隆起するのよ、あそこの岩を見るとそれがよく分かるの、と教えていただきました。だからね、空海さんが修行したと言われる現在の御厨人窟(みくろど)は1000年前はきっと海の中、本当はこの崖の上じゃないかと思うの、と言い、その場所も案内いただきました。国道55号線の横にお地蔵さんがいっぱい祀られていました。それは、室戸の男衆が海難事故で命を落とすと一体また一体と祀られてきたそうです。その数が半端じゃない。土台には亡くなった人の名前が刻まれてありました。ここでは土壌が岩ということもあり農業には適さないので、ほとんどの人が海と関係する仕事だったとか。海難事故に遭うと海の藻屑となりご遺体はほぼあがらなかったそうです。それで、あのような形でお地蔵さんを祀っていたのだとか。ちょうど道を挟んで海岸の方に龍宮神社という場所がありました。昔は、ここから遠洋漁業に向かう旦那の船の安全を祈って見送ったということでした。この龍宮神社、知らないと外からだと分からないような場所にありました。これも、ひとつの室戸の歴史なの、と云ってました。ゴツゴツとした岩ばかりの海岸にでると見たことがないサボテンの群生があちらこちらに、これらは南米産のサボテンの一種で種子が台風などでこの地にたどり着き根を張ったのだとか。そうそう、大根もありました。ただ、よく見る大根ではなく岩の隙間に生えているので細い細い大根です。食べてみると確かに大根の味がしました。これもどこからか飛んできたのだろうと言ってました。その植物の生命力って凄いとしか言いようがないですね。約30分ぐらい色々と歩き説明していただきました。本当にありがとうございました。
室戸の自然、地球の鼓動が感じられるような、そしてその大地にしっかりと根を張って住んでいる植物だったり人間だったり、う〜ん、空海さんがこの地を修行地として選んだのはそんな理由があったかもしれませんね。
海に突き出した岩の上で座禅を組んで空と海を見ていたのか見ていなかったのか分かりませんが、この地球と対話していたんだろうと感じるれる室戸岬でした。

美しき日本がここにあります。
Welcome Amazing Japan!

Photographer:坂本憲司(Sakamoto Kenji)
Music:岡野弘幹(Okano Hiroki)成川正憲(Narikawa Masanori)

撮影日時

2023年1月20日 PM16:31~PM17:24 11℃

高知県

撮影カテゴリー

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