富士山 田貫湖

Mt,fuji Lake Tanuki-ko

晴れ/朝焼け、逆さ富士、そしてダイヤモンド富士。

備忘録

世間ではコロナで自粛ムードの真っ只中、ボクは仕事で山梨にいた。
ボクのランドスケープ撮影はほとんどひとりで時間帯も早いか遅いかなので
ほぼ人と会う確率も低く、緊急事態宣言が発出されても撮影にはたまに行っていた。
ただ、人と接触しないとは思いつつも、何となく罪の意識は心の何処かにあった。
この日も、午前3時前に起きて行こうかどうしようか迷っていた。
現場に行って駐車場にローピングされていたら心が折れそうだから自粛しておこうか。。
(実際に自粛期間中はローピングされている駐車場も多かった。)
そんな事を考えていると思い出した。
この時期、田貫湖に行けばダイヤモンド富士が撮れるかもしれないと。。
今までも何回かは撮影したが満足いくものではなかった。
あまりダイヤモンド富士とか岩穴の真ん中に太陽が沈むとか、そのような拘りはなく、たまたま行って撮れたならラッキーと思っていた。
今回も同じだったが、何となく呼ばれているような気がして駄目元でSKEN号を走らすことに決めた。
AM4時、田貫湖に到着。あたりは真っ暗である。
例年だと富士山を撮り続けているカメラマンの人たちがダイヤモンド富士狙いでいるのだが非常事態宣言の最中だと流石に車も2台ぐらいしかいなかった。
ボクは完全に撮影モードに入っていたので機材を運びながら撮影ポイントのことだけを考えていた。
田貫湖には何回も撮影に来ているので真っ暗の中でもおおよその見当はついていたがダイヤモンド富士を狙うとなるとかなり気を使う。
ボクの場合、予測しなければいけないのだ。直前でカメラ位置の修正はできないのである。
方位を見ながら考えていたが、最後は直感でここの場所だと決めた。
カメラをセッティングしてシャッターを切り始めた。不思議と不安はなかった。
だんだんと東の空が蒼くなり、雲も流れてきた。そして、空を赤く染め始めた。
見事な朝焼けである。水面にもその様が映し出され、リアルな世界とバーチャルな世界を見ているかのようだった。
そこから、どのくらいの時間が経過したのだろう。
ボクは撮影中、あまり時間軸がはっきりしないことが多いのだ。
富士山の山頂付近が白く輝き始めてきた。
まだかまだかと見ていると、山頂から太陽の陽光がキラキラと放たれた。
これがダイヤモンド富士なんだ。水面にもキラキラと映し出されている。
なぜか、ボクは「大丈夫だよ、心配するな。陽はまた昇る。」というようなエールをもらったような気がした。
コロナのせいなのか?自分の心の中に不安があったのか?
自然とは本当に不思議なものである。
太陽がたまたま富士山の山頂から見えただけなのに、何か目に見えぬものを感じてしまう。
なぜか富士山はいつに増して神々しく見える。
雲や風や鳥たちも全てがシンクロしてこの世界を讃えているかのように思える。
こんな時期だからこそ、ダイヤモンド富士に逢えてよかった。
本当にそう思えた撮影だった。

日本の絶景、美しき日本がここにもあります。
Welcome to Amazing Japan!

Photographer:坂本憲司(Sakamoto Kenji)
Music:岡野弘幹(Okano Hiroki)山下有子(Arico)

撮影日時

2020年4月23日 AM4:40~AM6:14 7℃

静岡県

撮影カテゴリー

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